コース概要
江戸時代、江戸城や江戸の市民に多摩川の水を供給した玉川上水。現在、杉並区から東側は(一部を除き)暗渠になっていますが、その跡地には公園や橋跡があり、今歩いても楽しめます。今回は、玉川上水が暗渠化する杉並区浅間橋~明大前駅付近、暗渠と周辺の名所を辿ります。江戸時代の水の流れを想像しつつ歩いてみませんか?
このコースの続き、明大前~四谷大木戸までの様子はこちら!
【所要時間:約2時間】
【お勧めの曜日:いつでも!】
【お勧めの時期:いつでも!】
- 9:30A富士見ヶ丘駅から出発
(移動:徒歩12分)
- 9:42
(移動:徒歩20分)
- 10:05
(移動:徒歩20分)
- 10:30
(移動:徒歩20分)
- 10:55
(移動:徒歩6分)
- 11:02
(移動:徒歩10分)
- 11:15
(移動:徒歩10分)
- 11:25
(移動:徒歩5分)
- 11:30
(移動:徒歩7分)
- 11:40J:明大前駅へ到着
今日も一日お疲れ様でした。
玉川上水とは?
参勤交代によって、大名や人口増加が急激に進んだ江戸の街。飲み水不足の解消の目的で、多摩川の水を江戸まで引き入れるプロジェクトがスタート。担当は、江戸の町人の庄右衛門・清右衛門兄弟。東京都羽村市の取水場から、新宿御苑の北東の端、四谷大木戸まで、全長43kmもの長さの上水を約8カ月で開削、1654年に完成。
1965年頃に利根川の水が東京に導かれ始めると、玉川上水の導水路としての使命は終わり、暗渠化。緑道・公園などへ姿を変える。地域住民の声を受けて保全運動がおこり、一部では開渠化された部分も。
コース詳細
9:42 | B:玉川上水はここから暗渠化 浅間橋
羽村市から開渠として流れてきた玉川上水は、この橋の下から暗渠になり地下に潜っていく。ここから東へ向かってずんずん進む。すぐそばは、地上は東八道路・見上げると中央自動車道・首都高と、非常に交通量の多い道路の横を歩くことになる。ここが本当に暗渠の上?という気分にもなるが、橋の名前が残る交差点もあり、玉川上水の痕跡を辿ることができる。
住所 | 東京都杉並区久我山2丁目2 Googleマップ |
10:05 | C:玉川上水を江戸時代から見守る 第六天神社
鎌倉時代の創建ではないかと言われている、上高井戸村の鎮守様。天保(1830年)の頃に本殿・拝殿は焼失してしまうが、本殿は1856年に再建。境内には、1771年造の狛犬があるのも見どころ(杉並区の指定文化財)。本殿と共に、江戸時代から玉川上水の流れを見守ってきたと思うと感慨深い。
住所 | 東京都杉並区高井戸西1丁目7−2 Googleマップ |
TEL | 03-3332-1356 |
10:30 | D:ほっと一息つける玉川上水第二公園 尾根筋を進む
首都高と甲州街道の合流地点「上北沢駅入口」が近づくと、向かって左側に緑道が見えてくる。しばらく首都高の騒がしさから離れ歩き、ようやくほっと一息つける感じ。周りの住宅地より緑道がこんもり盛り上がっているのは、上水が通っている水道管を覆っているのだろうか?などと想像しながら歩くのも楽しい。訪問時(2023年6月)はちょうど紫陽花が美しいころ。目に鮮やかな花を愛でつつ、子ども向けのゆるかわいい遊具を横目に、ずんずんと東に向かって歩く。
途中、首都高の方に戻り、宗源寺へ寄り道。境内にある不動堂は「高井堂」と呼ばれており、これがなまって「高井戸」という地名の起源となったと言われている。
再び第二公園へ。しばらく歩いていくと、向かって左側(北の方角)に伸びる道がぐんと急な下り坂となってくる。公園の下にある上水路が周辺より高い尾根筋を通っていると感じられ、ワクワクする。第二公園が終わり第三公園が見えてくる頃、公園と周辺が同じ高さに揃ってくるのも面白い。
住所 | 東京都杉並区下高井戸5丁目2−8 Googleマップ |
10:55 | E:玉川上水第三公園 急激に崖下に潜る玉川上水跡を進む
ここからは第三公園へ。公園の遊具でほっこりしている人を横目に見つつ進むと、「小菊橋」と名付けられた赤いレンガ造りのレトロな橋が出現。昭和初期、この頃には「吉田園」というプール・スケート場があり、その経営者がなんと私費で玉川上水に架けた橋なのだそう。なんとも太っ腹なことをする人がいるものだなあ、など感じ入りながら進むと、いつの間にか周辺より潜った土地に位置しており驚かされる。船の形をした遊具になごみながら進むと、目の前で下高井戸橋へぶつかるので崖上に登ろう。
住所 | 東京都杉並区下高井戸2丁目6−13 Googleマップ |
11:02 | F:玉石伝説を今に伝える永昌寺を外観見学
下高井戸橋から北へ、玉川上水の暗渠から少しそれると、複数の寺院が並ぶエリアへ。そのうちの一つ、永昌寺には、玉川上水の開削を助けたという「玉石伝説」が伝わっている。
玉川上水を掘り進めていた庄右衛門・清右衛門兄弟は、この高井戸付近で工事資金を使い果たしてしまった。工事現場で途方に暮れていたところ、堀の先にぽーっと光る玉石を発見。この噂が周辺に知れ渡り、工事資金を調達することができた。これに感謝した兄弟はお堂を建て玉石を祀ったのだそう。そのお堂「玉石薬師堂」は、享保(1716年から1736年)の頃に創建された永泉寺の境内にあったのだが、永泉寺はその後廃寺。現在はここ永昌寺の境内で大事に守られている。
住所 | 東京都杉並区永福1丁目6−15 Googleマップ |
11:15 | G:永泉寺緑地をあとにして広大な和田堀廟所横を進む
永昌寺から玉川上水暗渠へ戻る。永泉寺の名残が残る「玉川上水永泉寺緑地」の中では水が通るよう舗装されており、さながら玉川上水が開渠として地上に見えていた頃を彷彿とさせる。緑地を過ぎ、いつのまにか右側に寄り添ってきた首都高・甲州街道のすぐ脇を進む。築地本願寺の分院のひとつ、和田堀廟所の広大な敷地を横目に、明治大学和泉キャンパスの横を通り過ぎる。通り横にある小高い土手に何気なく目をやると「水道用地」の文字が刻まれた碑を発見。まぎれもなく玉川上水の跡地を歩いているとわかり嬉しくなる。
住所 | 東京都杉並区永福1丁目4−1 Googleマップ |
11:25 | H:玉川上水公園で井の頭線と空中で交差する玉川上水を発見
明治大学和泉キャンパスの正門すぐ横にある明大橋跡から再び緑道へ。公園と駐輪場の共存する公園を進んでいく。駐輪場が途切れたころに突如として右側に現れる巨大土管が、実は現在の玉川上水の水路。上下に2本見える巨大土管を辿りながら更に進み、左をふと見ると、今度は土管の更に下から京王井の頭線の線路がにょきっと登場。この一帯は、井の頭線・玉川上水・甲州街道・首都高が空中で行き交う重要な場所なのだと認識させられる。
住所 | 東京都杉並区永福1丁目1 Googleマップ |
11:30 | I:レトロな造りの久左衛門橋へ到着
玉川上水公園をそのまま東へ、水車やクジラのモニュメントが和む公園の中をずんずん進むと、赤レンガ造りがレトロな久左衛門橋に到着。
玉川上水が暗渠になった浅間橋からここまで8km。最寄りの明大前駅へ向かい、今回のさんぽは一旦終了。次回、明大前駅から四谷大木戸までのコースにバトンタッチします。
住所 | 東京都杉並区和泉2丁目8−17 Googleマップ |
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