コース概要
渋谷駅付近から南に流れている渋谷川。その上流部分・支流は現在は暗渠となっていますが、その源流地のひとつが明治神宮内にあることをご存じでしょうか。今回は、明治神宮御苑内の清正井からスタートし、その暗渠の上を辿りながら旧渋谷川へ合流。渋谷駅付近まで歩きます。昔の川の流れを想像しつつ歩いてみませんか?
【所要時間:約2.5時間】
【お勧めの曜日:いつでも!】
【お勧めの時期:いつでも!】
- 10:40
(移動:徒歩4分)
- 10:50
(移動:徒歩15分)
- 11:05
(移動:徒歩10分)
- 11:20
(移動:徒歩5分)
- 11:30
(移動:徒歩5分)
- 12:10
(移動:徒歩3分)
- 12:15
(移動:徒歩3分)
- 12:25
(移動:徒歩25分)
- 13:00
(移動:徒歩7分)
- 13:10
今日も一日お疲れ様でした。
旧渋谷川とは?
渋谷川は、古くはいくつもの源泉・支流を持つ河川だった(以下の地図の青い点線・実線部分)。明治期に入ると、源泉から渋谷駅すぐ東側付近までの間を隠田川、それより下流を渋谷川と呼ぶようになった。1934年頃の東急東横店の開業や、東京オリンピック開催により、1961年頃までには渋谷駅付近より上流部を暗渠化(地図の青い点線部分)。
コース詳細
10:40 | A:明治神宮御苑内「清正井」から出発
「御苑」とは、江戸時代には大名家(加藤家・井伊家)の下屋敷の庭園であった庭園を、明治時代に入り明治天皇の御料地としたもの。明治36年頃、体が弱かった昭憲皇太后(明治天皇の皇后)が散策できるように、明治天皇が整備されたという、思いのこもった庭園。
庭園内にある「清正井(きよまさのいど)」は、毎分60リットルの湧き水があふれ出る井戸。ここから湧いた水は、同じく御苑内にある菖蒲田や南池に流れこんでいる。井戸は、縦に掘られることが多いのに対し、この井戸は横向きに掘られており、こんなことをできるのは清正公しかいない!とされてきたが、実は、清正公が掘ったかどうかの真偽は定かではない。水源調査で自然の湧水であることは判明しており、その珍しさから「素晴らしい気が出ている」としてパワースポットとしても有名。この井戸の写真をスマホの待ち受け画像にするとよいことがあるとかないとか。
住所 | 東京都渋谷区代々木神園町1−1 Googleマップ |
TEL | 03-3379-5511 |
営業時間 | 3月~10月:9時~16時30分 11月~2月:9時~16時00分 6月:8時~17時00分(土日18時00分) |
定休日 | なし |
入園料 | 500円 |
10:50 | B:清正井の清水を辿り、明治神宮御苑内「菖蒲田」「南池」へ
清正井から南へ進むと菖蒲田がある。ここの水路に、清正井から湧き出た清水が流れ出している。菖蒲田は、体の弱かった昭憲皇太后のため、明治天皇が遊歩庭園として整備された、元水田。くねくねと小路が設置されており、毎年6月頃には約150種1,500株もの花しょうぶが咲き誇る。2023年6月の訪問時は、美しく見ごろを迎えていた。
さらに南に進むと見えてくる南池。菖蒲田を経た清水は、この池に流れ込んでいる。明治33年に建てられた「隔雲亭」、昭憲皇太后が釣りを楽しまれたという「お釣台」は、明治天皇が昭憲皇太后のために整備されたもの。
住所 | 東京都渋谷区代々木神園町1−1 Googleマップ |
11:05 | C:渓谷を抜けて湧き水は神橋をくぐる
御苑を後にし、明治神宮一の鳥居の方面へ。清正井からあふれた湧き水は、南池を通って渓谷に流れ込み、一の鳥居手間にある神橋の下を潜る。湧き水は、そのまま東へ流れ明治神宮の神域の外では暗渠化。原宿駅の下を通り抜け、若者で賑わう竹下通りのすぐ近くに流れる。
住所 | 東京都渋谷区代々木神園町1−1 Googleマップ |
11:20 | D:大人な雰囲気の暗渠 ブラームスの小径を進む
竹下通りの若者をかき分けながら東へ。すぐ右側へ曲がり、竹下通りと並行する裏路地「ブラームスの小径」へ向かう。明治神宮から湧き出てきた支流が、この小路の下に暗渠となって流れ込んでいる。一歩、小径に入ると、そこは竹下通りの賑やかさからは考えれられないほどの静けさ。落ち着いたフレンチレストラン、隠れ家的喫茶店が並び、「本当にここは原宿?ドイツ?フランス?」といった雰囲気。くねくねとしたレンガ造りの小径は、川の流れそのままといった趣でワクワクする。
住所 | <Jardin de LUSEINE>東京都渋谷区神宮前1丁目15−14 Googleマップ |
TEL | 03-5413-0033 |
営業時間 | 11時30分~14時30分、18時00分~21時30分 |
定休日 | 月曜 |
11:30 | E:フォンテーヌ通り沿いの大衆食堂BEETLE原宿で絶品ランチを食す
ブラームスの小路に架かる橋跡を跨いだ先は「フォンテーヌ通り」と呼ばれる通りが続く。こちらももちろん暗渠の上に出来た通りで、先ほどまで同様、クネクネとしたレンガ造りの細い小路が続く。しばらく進むと突然噴水が登場。噴水のすぐ隣にあるビル(フォンテーヌビル)所有の噴水のようだが、海外にいるような雰囲気を醸し出していて素敵。
川の古い護岸の跡を見たり、キョロキョロしながら先に進むと素敵な喫茶店の上にある食堂「BEETLE」が。暗渠からのアプローチを彷彿とさせる外階段を上り、11時半の開店と同時に入店。ここのランチの売りは何と言っても高コスパ。ふっくらとしたアジのフライ(2枚)定食がなんと680円、手の込んだ油淋鶏定食も780円と驚きの価格。もちろん味は絶品なのだが、「原宿でこの価格で大丈夫?」と心配になってくる。次々とランチを求めてお客が舞い込むのも納得。
住所 | <大衆食堂 BEETLE 原宿> 東京都渋谷区神宮前1丁目10−23 原宿ふらっとビル 1階 Googleマップ |
TEL | 0-3643-47470 |
営業時間 | 11時30分~23時00分(ランチは17時まで) |
定休日 | なし |
12:10 | F:明治通りを跨ぎ旧渋谷川遊歩道路へ合流
フォンテーヌ通りをあとにすると、目の前には明治通りが流れている。大きな交差点を渡り、原宿神宮前商店会へ向かおう。暗渠上にあることがすぐわかる、クネクネとした道が目印。裏原宿系と呼ばれる若者向けファッションのお店が立ち並ぶ楽しい通りを抜けると、ようやく旧渋谷川遊歩道路が現れる。ここでようやく渋谷川の本流と合流するのだなあ、と考えると、なにやら感慨深い。
住所 | 東京都渋谷区神宮前4丁目25−15 エスポワール表参道ビル Googleマップ |
12:15 | G:親柱 明治神宮の参道にあった「参道橋」の遺構
「表参道」は現在では街の名前として認知されているが、元々は明治神宮のメインの参道の意味だった。その参道と旧渋谷川がクロスしていた箇所にかかっていたのが参道橋。1920(大正9)年に参道オープンに伴い作られた橋で、その後1938年に架け替えられた。現在残っている親柱が初代からのものかは不明だが、歴史ある柱であることは間違い無いので見て行って欲しい。
住所 | 東京都渋谷区神宮前 4〜6丁目 Googleマップ |
12:25 | H:暗渠の跡とお洒落が同居するキャットストリートを散策
暗渠化された旧渋谷川の上は、現在ではキャットストリートと呼ばれ、若者向けアパレルブランドの店舗が立ち並ぶスーパーお洒落ストリートとなっている。渋谷の北側、原宿の南側のエリアは「裏原宿」「ウラハラ」と呼ばれ、小規模なアパレル店が多く集まっている。暗渠となった旧渋谷川を埋設させ上に蓋をし、そのすぐ脇を歩行者が自由に歩ける通路に整備。更にその両脇をお洒落なお店でびっしり固めている。暗渠の跡も素敵なファッションも発見できる、なんともお得な通りなのである。
住所 | 渋谷区渋谷1丁目23付近 Googleマップ |
13:00 | I:暗渠に気を遣って作られた渋谷東口広場
キャットストリートの終点で、明治通りを横断しMIYASHITA PARK(宮下公園)へ。暗渠は、明治通りを潜ったあと、MIYASHITA PARKのすぐ横の通りの下を流れている。昼間からお酒が入って楽しそうな渋谷横丁のお客さんを横目に南下し、渋谷駅へ到着。2019年に開業した渋谷スクランブルスクエアの足元にある渋谷東口広場へ向かう。まずはビルの足元に進み地下へ。潜ってすぐ目の前、張り出した天井の中に、実は旧渋谷川が流れている(写真参照)。旧渋谷川をあまり移動させず、コンクリで覆い天井を這わせて渋谷駅の地下の再開発が進んだという話を聞く。
住所 | 東京都渋谷区渋谷2丁目23−16 地下2F Googleマップ |
13:10 | J:渋谷ストリームに到着 渋谷川開渠へ→渋谷駅へ到着
渋谷スクランブルスクエアの地下を抜け出し地上へ。渋谷ストリームの足元にある渋谷川を目指す。そもそも、2018年に開業した渋谷ストリームは、足元に流れる渋谷川の水辺空間の再生・整備を意識したネーミングであったそう。これからも渋谷川を大事に、人と人の交流を目指す、というコンセプトが伺える。渋谷ストリーム2階から見下ろすと、渋谷川開渠部分と、稲荷橋、そしてくつろぐ人々が見える。この光景が新しい渋谷の象徴なのだと感じさせる。
住所 | 東京都渋谷区渋谷3丁目21−3 Googleマップ |
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